あえて不便が人を惹きつける理由|不便益の本質とビジネス新潮流
あえて不便が人を惹きつける理由|不便益の本質とビジネス新潮流を詳しくリサーチ! 読者が気になる 情報と解説を分かりやすく展開します。
ネット上の議論で頻繁に見受けられるのが、「不便益とは、メーカーや行政が使いにくい製品や不親切な仕様をごまかすための言い訳ではないか」という批判的意見だ。実際、UIの不具合や導線設計の破綻を「不便益です」と強弁する事例が散見され、現場の混乱を招いている。
ここで整理すべきは、不便益のメリットとデメリット、そして「不便害(ふべんがい)」との決定的な境界線である。川上教授らは、不便を以下のように厳密に区別している。
利用者がいくら工夫しても何の技能向上も得られず、ただ苛立ちと時間の浪費を生むだけの不便は単なる「不便害」であり、即刻排除されるべき欠陥である。一方で、正統な不便益とは「ユーザーが自らの主体性や頭脳、身体を使うことによって、結果的にプラスの効用(上達・愛着・発見・安心など)が手に入る構造」を指す。
不便益を狙ってあえて操作を複雑にしたものの、単にユーザー離れを引き起こして失敗するサービスの後を絶たない。成功の条件は、「その手間の先に使用者の自己肯定感や楽しさ、成長が約束されているかどうか」にかかっている。