不対電子とは?価電子との違い・見分け方と結合の仕組みを徹底解明
不対電子とは?価電子との違い・見分け方と結合の仕組みを徹底解明とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。
不対電子の数を機械的に素早く見分けるには、周期表の「族番号」と「電子式の作法」を組み合わせた4つのステップを身につけるのが確実です。
原子核の周りには複数の「電子軌道」が存在し、ひとつの軌道には逆向きのスピン(自転のような性質)を持つ電子が最大2個までしか入れません。電子式を書く際、東西南北(上下左右)の4箇所に丸を打つのは、最外殻に存在する4つの軌道(s軌道1個とp軌道3個)を模式化しているためです。
ステップ1:周期表の族から「最外殻電子の数」を特定する
第1周期〜第3周期の典型元素であれば、族番号の1の位がそのまま最外殻電子(価電子)の数になります。
- 14族(炭素 C、ケイ素 Si):最外殻電子 4個
- 15族(窒素 N、リン P):最外殻電子 5個
- 16族(酸素 O、硫黄 S):最外殻電子 6個
- 17族(フッ素 F、塩素 Cl):最外殻電子 7個
ステップ2:4方位に電子を「1個ずつ」散らして配置する
ここが最大の要所です。電子同士はマイナスの電荷を持つため互いに強く反発し合います。そのため、空いている軌道がある限り、同じ軌道に2個入るよりも別の軌道にバラバラに入る方を優先します。したがって、元素記号の「上・下・左・右」にまずは1個ずつ電子(・)を配置します。炭素(C)の場合、4個の電子が4方向に1個ずつ入るため、4個すべてが不対電子になります。
ステップ3:5個目以降の電子をペア(電子対)にしていく
電子が5個以上ある場合、初めて既存の電子と同じ場所に配置してペア(非共有電子対)を作ります。
- 窒素(N、電子数5):4方向に1個ずつ置いた後、5個目をいずれか1箇所に重ねます。結果として「非共有電子対が1組(2個)」と「単独の不対電子が3個」完成します。したがって窒素の不対電子は3個です。アンモニア(NH₃)で窒素が3つの水素と結合するのはこのためです。
- 酸素(O、電子数6):4方向に1個ずつ置いた後、5個目・6個目を重ねて2組のペアを作ります。結果として「非共有電子対が2組(4個)」と「単独の不対電子が2個」となります。したがって酸素の不対電子は2個です。水分子(H₂O)で酸素の手が2本になる物理的根拠がここにあります。