完全房室ブロックで突然死?失神の正体と最新ペースメーカー治療の真実
完全房室ブロックで突然死?失神の正体と最新ペースメーカー治療の真実とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。
心臓は通常、右心房にある「洞結節」が規則正しい電気刺激を発生させ、それが「房室結節」を経由して心室へと伝わることでリズミカルに拍動しています。しかし、完全房室ブロック(III度房室ブロック)を発症すると、この刺激伝導系の中継地点である房室結節やその下位組織(ヒス束・脚)が完全に断線します。その結果、心房からの指令が心室へ一切伝わらなくなってしまうのです。
指令を失った心室は、自律的なバックアップ機能である「補充調律」を開始します。ところが、この心室固有の拍動ペースは毎分20〜40回程度と極端に遅く、血液を全身へ力強く送り出すには決定的に不足しています。さらに、断線直後から補充調律が立ち上がるまでに数秒から十数秒のタイムラグ(心停止時間)が生じるケースも珍しくありません。
この脳虚血によって引き起こされる突発性の失神発作を、医学用語でアダムス・ストークス症候群と呼びます。前触れなく急激に意識を失うため、転倒による頭部外傷や骨折、あるいは車の運転中であれば大事故を誘発するリスクを孕んでいます。心停止時間がさらに長引けば、そのまま心室細動などの致死的不整脈へ移行し、突然死に至る危険性が極めて高くなります。
発作に至る前段階で見られる完全房室ブロックの初期症状は、驚くほど地味で日常の疲労に紛れ込みやすい特徴があります。「平坦な道を歩くだけで異様に息が上がる」「階段を上がると足が鉛のように重い」「頭がぼーっとして集中力が続かない」といった自覚症状です。脈拍を自己測定した際、安静時にもかかわらず毎分40回前後にとどまっている場合、すでに心臓からの悲鳴が上がっていると警戒しなければなりません。