ヘルパンギーナと手足口病の違いとは?見分け方と大人の重症化リスク
ヘルパンギーナと手足口病の違いとは?見分け方と大人の重症化リスクについての真相をお届けします。
臨床の現場において、医師がヘルパンギーナと手足口病を鑑別する際、最も注視するのは「発疹が出現する部位の境界線」と「発熱パターンの落差」です。いずれも乳幼児に好発する夏風邪の代表ですが、体内でのウイルスの標的組織や炎症反応の現れ方には明確な差異が存在します。
まず発疹の局在において、ヘルパンギーナの水疱はのどの突き当たり周辺(軟口蓋から口蓋弓、口蓋垂の周囲)に限定して現れます。舌の先端や頬の内側、唇の周囲に水疱ができることは原則としてありません。これに対し、手足口病の口腔内病変はのどの奥だけでなく、舌、頬粘膜、歯肉、口唇の内側など口腔全体に潰瘍性の水疱が多発します。さらに手足口病の決定打となるのが、手のひら、足の裏、甲、膝、臀部(お尻)に生じる直径2〜3ミリ程度の米粒状の紅色丘疹および水疱です。
体温の推移にも顕著なコントラストが見られます。ヘルパンギーナは発症直後から39度から40度を超える急激な高熱に見舞われるケースが大半で、熱性痙攣を誘発しやすい点にも警戒を要します。一方、手足口病は患者全体の約3分の1から半数程度にしか顕著な発熱が見られず、熱が出ても37度台後半から38度前後の微熱にとどまり、1〜2日で平熱に戻る傾向があります。「手足に水疱がないのに40度の熱が続き、のどの奥を激しく痛がって水分を受け付けない」場合はヘルパンギーナ、「熱はさほど高くないが、手のひらやお尻にポツポツが広がり、口の前方を気にして不機嫌になる」場合は手足口病を疑うのが、小児科の診断基準に基づく見分け方の基本です。