着物のたとう紙放置は危険!黄ばみカビを防ぐ交換時期と包み方全知識
着物のたとう紙放置は危険!黄ばみカビを防ぐ交換時期と包み方全知識の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。
新品のたとう紙を開くと、内側に透けるような薄い和紙(中紙)が敷かれていることが多い。ネット上や初心者の間では「着物を二重に守ってくれる丁寧な包装」と誤解されがちだが、現場のプロは真っ先にこれを抜き取る。これこそが、多くの愛好家が見落としているたとう紙の薄紙を外す理由である。
あの薄紙の本来の目的は、呉服店から顧客の自宅へ納品されるまでの間、金箔や刺繍などの繊細な装飾が擦れて傷つくのを防ぐ「輸送時の緩衝材」に過ぎない。薄紙はコストを抑えた機械抄きパルプ紙であることが多く、平滑性を出すための糊付け処理が施されている。この薄紙を挟んだまま湿気の多い箪笥に長期保管すると、薄紙の糊が周囲の水分を吸って真っ先に黄変し、密着している着物の表地にシミを転写させる「糊ヤケ」の元凶となる。着物を箪笥に収納する段階で、内側の薄紙は潔く抜き取って破棄するのが鉄則だ。
もう一つの重大な盲点が、着物のたとう紙における紐の結び方である。多くの人が無意識にスニーカーの靴紐下流のように「蝶結び(リボン結び)」をしてしまっているが、これは着物保管において明確な禁忌とされる。
箪笥の引き出しには、何枚ものたとう紙が重なって収納される。立体的な結び目ができる蝶結びにしてしまうと、上に重ねた着物の重みによって、結び目の部分だけに強い局所圧力がかかる。その結果、下段の着物の背中や前身頃に消えない凹みジワやテカリ、最悪の場合は糸潰れが発生してしまう。プロが行う正しい処理は、結び目を平らに潰す「平結び(片輪結びの変形)」または「結ばずに交差させて折り込むだけ」の手法である。紐の厚みをゼロに近づけ、重なりによる負荷を面全体に分散させることが、シワを防ぐ秘訣である。