ピカソのフルネームが長い驚きの理由!全73文字の意味と簡単な覚え方
ピカソのフルネームが長い驚きの理由!全73文字の意味と簡単な覚え方に関する専門家の意見を分かりやすく解説いたします。
なぜ親たちは、生まれたばかりの我が子にこれほど大量の名前を詰め込んだのでしょうか。その背景には、19世紀末のスペイン社会における「カトリック信仰」「一族の血統意識」、そして何よりも「ピカソ誕生の劇的な瞬間」が密接に関係しています。
1. 瀕死の新生児を救うための「守護聖人」への必死の祈り
1881年10月25日夜、ピカソが産声を上げたとき、医師は赤ん坊が息をしていないのを見て死産だと判断し、テーブルの上に放置しました。しかし、立ち会っていた叔父のドン・サルバドール医師が葉巻の煙を赤ん坊の顔に吹きかけると、刺激によって激しく泣き声を上げ、奇跡的に蘇生したという有名な逸話が残されています。
九死に一生を得た我が子の命に感謝し、今後の健やかな成長と加護を願うため、両親はカトリックの聖人たちの加護を余すところなく授けようとしました。名前の各パーツには以下のような意味と由来が込められています。
- パブロ(Pablo):パウロ(使徒)。早くに亡くなった父方の伯父(パブロ)の名に由来。
- ディエゴ(Diego):洗礼の代父を務めた裕福な叔父(ドン・ディエゴ)への敬意。
- ホセ(José):聖ヨセフ(イエス・キリストの養父)であり、実父ホセ・ルイス・イ・ブラスコの名前。
- フランシスコ・デ・パウラ(Francisco de Paula):パオラの聖フランシスコ。アンダルシア地方で厚く崇敬される修道士。
- フアン・ネポムセーノ(Juan Nepomuceno):ネポムクの聖ヨハネ。告解の秘密を守って殉教したチェコの聖人。
- マリア・デ・ロス・レメディオス(María de los Remedios):「救済の聖母マリア」。マラガの守護聖女であり、ピカソの代母を務めた叔母の名。
- クリスピニアーノ(Crispiniano):聖クリスピヌスと聖クリスピニアヌス。ピカソが生まれた10月25日の祝日の聖人。
- デ・ラ・サンティシマ・トリニダード(de la Santísima Trinidad):「至聖三位一体(父と子と聖霊)」。カトリック信仰の根幹を表す祈りの言葉。
2. アンダルシア地方の多重命名文化と一族の繁栄祈願
当時のスペイン南部(アンダルシア地方)では、裕福な親族や洗礼の代父母(ゴッドファーザー・ゴッドマザー)にあやかり、複数の洗礼名を連ねて命名する習慣が一般的でした。親族の名を赤ん坊に受け継がせることは、一族の絆を強固にし、将来的な経済的支援や社会的後ろ盾を得るための現実的な知恵でもあったのです。