犬のうんちは1日何回が普通?危険な増減サインと病院受診の判断基準
犬のうんちは1日何回が普通?危険な増減サインと病院受診の判断基準とはどのようなものなのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。
成犬において、これまで1日2回程度だった排便が突然1日に4回、5回と跳ね上がった場合、背後には消化器系の明確な異常が隠れています。犬のうんちの回数が多い原因として最も代表的なものは、大腸性下痢に伴う直腸の炎症です。大腸粘膜が炎症を起こすと、便がわずかに溜まっただけでも強い便意(しぶり腹)が生じ、愛犬は何度も排便姿勢をとりますが、実際には少量の軟便や粘液しか出ないという状態に陥ります。
臨床において警戒を要する犬の下痢と回数増加の病気には、ジアルジアやトリコモナスなどの原虫・寄生虫感染症、パルボウイルス感染症、さらには細菌性腸炎や炎症性腸疾患(IBD)が含まれます。特に小腸性の下痢では便の回数自体は1日2〜3回とさほど増えないものの、大量の水様便が出ることが多いのに対し、大腸性では「回数が著しく増え、1回の量は少ない」という決定的な差異が見られます。
中でも見過ごしてはならない危険シグナルが、血便やゼリー状便の危険なサインです。便の表面にイチゴジャムのような鮮紅色の血が付着していたり、半透明のドロリとしたゼリー状粘液に包まれている場合、大腸の粘膜表皮が激しい炎症によって剥がれ落ちていることを意味します。愛犬が排便時に悲鳴を上げたり、背中を丸めて何度も力んでいるにもかかわらず液体しか出ない場合は、単なる消化不良ではなく出血性胃腸炎などの急性疾患が疑われるため、速やかな臨床判断が求められます。