ロールスロイスのエンブレムが語る禁断の愛と知られざる真実

ロールスロイスのエンブレムが語る禁断の愛と知られざる真実の注目されている理由をコンパクトにまとめました。全体像を一目で把握できます。

ロールスロイスの象徴であるスピリット・オブ・エクスタシー(Spirit of Ecstasy)、通称「フライングレディ」は、1911年に公式マスコットとして正式採用されました。その造形を手がけたのは、当時高名な彫刻家であったチャールズ・サイクスです。

この象徴的な彫像が生まれる直接のきっかけとなったのは、自動車愛好家であり貴族院議員でもあったジョン・モンタギュー男爵の個人的な依頼でした。モンタギュー卿は自らの愛車「シルバーゴースト」のボンネットに飾る特別なマスコットの制作をサイクスに依頼。そのモデルとなった人物こそ、卿の秘書であり、密かに愛人関係を結んでいたエレノア・ヴェラスコ・ソーントンでした。

当時のイギリス上流階級において、身分違いの恋は決して公に認められるものではありませんでした。サイクスが最初に制作したプライベートマスコット「ザ・ウィスパー(囁き)」は、風になびくローブをまとい、人差し指を唇に当てて「秘密の関係」を守るポーズをとっていました。この作品を発展させ、両腕を後ろに伸ばし前傾姿勢をとるダイナミックな造形として公式化されたのが、現在の「スピリット・オブ・エクスタシー」です。

二人の関係は1915年、第一次世界大戦中にインドへ向かう客船「ペルシャ号」が潜水艦の魚雷攻撃を受け沈没した際、エレノアが海へと没したことで悲劇的な結末を迎えます。命を落としたエレノアへの想いは、永遠の象徴として今も世界中のロールスロイスの先端で走り続けています。

前田 葵

前田 葵

サステナビリティ研究家

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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