日本が誇る国宝5城の鉄壁要塞と非公開エリアを暴く!徹底取材録
日本が誇る国宝5城の鉄壁要塞と非公開エリアを暴く!徹底取材録の全体像を分かりやすくまとめてご紹介します。
現存最古級の様式を伝える犬山城には、尾張の風雲児・織田信長にまつわる歴史の残り香が濃密に漂う。木曽川の切り立った断崖の上に築かれた望楼型天守の最上階からは、濃尾平野が一望の下に見渡せる。信長の叔父である織田信康が足場を固め、後に信長自身も美濃攻略の重要拠点として睨みを利かせたこの場所は、まさに戦国初期の緊張感をそのまま留めた空間だ。手すりが低く張り出した廻縁に立つと、川風とともに乱世の鼓動が吹き抜けていく。
対照的に、黒漆塗りの下見板が重厚な威厳を放つ松本城は、鉄砲戦の本格化に対応した連結複合式天守の傑作である。五重六階の天守内部には合計115箇所もの矢狭間・鉄砲狭間が配置され、射角の死角を徹底的に排除している。最大傾斜61度にも達する急勾配の階段は、鎧を着た武士が駆け上がることを拒絶する要塞そのもの。黒と白のコントラストが美しい水堀に映る天守は、戦国末期の緊迫感と平和な近世への移行期を象徴する記念碑と言える。