浄土真宗でやってはいけないこと|葬儀マナーと独自の作法を徹底解説
浄土真宗でやってはいけないこと|葬儀マナーと独自の作法を徹底解説の見逃せないポイントを徹底的にカバーしました。
浄土真宗と一口にいっても、十派に分かれる真宗十派の中でも全体の圧倒的多数を占めるのが、浄土真宗本願寺派(西本願寺・お西)と真宗大谷派(東本願寺・お東)の二大門派です。両派の間には、参列時の所作や仏具の設えにおいて細かな違いがあります。
参列者が直接実践する場面で顕著なのが、焼香と線香の回数・作法です。どちらの派であっても「つまんだ香を額の高さまで押しいただく」ことはしません。目線よりも上へ掲げる所作は「自らの手柄として仏に香を捧げる」という意味合いを含んでしまうため、香をつまんだらそのまま香炉へ落とします。
【本願寺派(お西)の作法】 ・焼香の回数:香をつまみ、額に押しいただかず、そのまま香炉へ1回くべる。
・線香の作法:線香1本を香炉の幅に合わせて2つまたは3つに折り、火のついた側を「左」にして寝かせる。
・焼香の回数:香をつまみ、額に押しいただかず、そのまま香炉へ2回くべる。
・線香の作法:線香を折って火のついた側を「左」にして寝かせる(折る本数に厳密な規定はないが、香炉の大きさに合わせる)。
また、家庭の仏壇内における法名軸と過去帳の扱いも極めて象徴的です。浄土真宗では、漆塗りに金文字を施した木製の「本位牌」を原則として作りません。仏教において位牌は、中国の儒教思想における先祖の魂が宿る「神主(しんしゅ)」が仏教に取り入れられたものであり、霊魂の依代(よりしろ)とされます。しかし、霊が留まる場所を必要としない浄土真宗では、位牌に魂を入れる開眼供養も存在しません。
仏壇の中央に祀るべき礼拝の対象は、あくまで本尊である「南無阿弥陀仏の六字名号」または「阿弥陀如来立像」のみです。故人を神格化して仏壇の中央に据えることは避けられます。代わりに用いられるのが、院号や法名(釋〇〇という名前)を書き写した掛け軸である「法名軸」を仏壇の側面に掛ける方法、あるいは命日順に故人の記録を残す「過去帳」を仏壇の見台(けんだい)に乗せて安置する形式です。