腹痛なしで下痢が続く原因とは?大腸がんや疾患の兆候と受診の目安
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腹痛を伴わない慢性下痢の鑑別において、臨床現場で真っ先に除外しなければならないのが悪性腫瘍と内分泌代謝異常です。「便が緩いだけだから」と放置されがちな症状の背後に、以下の疾患が潜んでいるケースが報告されています。
疑われる疾患名特徴的な便の状態・随伴症状発症メカニズム・基準専門医の見解・受診緊急度右側大腸がん(盲腸・上行結腸)腹痛のない軟便、持続的な貧血、息切れ、疲労感内容物が液状の部位に腫瘍ができるため閉塞痛が出にくく、潜血と浸出液により便が軟化する【極めて高い】40代以降で理由のない貧血や便通変化がある場合は直ちに内視鏡検査を推奨甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)1日数回の泥状便、動悸、手指の震え、体重減少、発汗甲状腺ホルモン過剰により全身の代謝と腸管運動が常に亢進し、水分吸収が追いつかない【高い】消化器薬が無効なことが多く、内分泌専門医による血液検査(FT3/FT4/TSH)が必須微小顕微鏡的大腸炎(コラーゲン性大腸炎等)完全な水様便が1日複数回、夜間の排便、時に体重減少内視鏡では粘膜が正常に見えるが、生検組織内で粘膜下に膠原線維帯が肥厚し水分吸収を阻害【中〜高】中高齢の女性や胃薬(PPI)・鎮痛薬の長期服用者に多発。生検による病理確定診断が必要自律神経性・分泌性下痢朝一番や起床直後の泥状便、日中の倦怠感、冷え交感神経と副交感神経の調節不全により、腸粘膜の水分分泌制御が一時的に乱れる【中】器質的疾患の除外後、生活リズムの調整や抗コリン薬・漢方薬による治療を検討
特に注視すべきは大腸がんの可能性です。一般的に大腸がんは「血便」や「便秘と下痢の繰り返し」、「腹痛」を伴うと認識されがちですが、それは便が固形化し腸管が細くなる左側結腸(下行結腸・S状結腸)や直腸に腫瘍ができた場合の特徴です。盲腸や上行結腸といった「右側結腸」では便がまだ液体状であるため、腫瘍が大きくなっても通過障害による腹痛を起こさず、じわじわとした出血による「原因不明の貧血」と「痛みのない下痢」だけが長期にわたって現れる傾向があります。