直木賞と昭和歌謡の頂点へ!作詞家・山口洋子が遺した伝説の足跡
直木賞と昭和歌謡の頂点へ!作詞家・山口洋子が遺した伝説の足跡の全体像を詳しく解説してご紹介します。
作詞家としての名を決定づけたのは、歌手・五木ひろしとの運命的な出会いだった。改名を繰り返し、後がない崖っぷちに立たされていた無名の歌手に、彼女は『よこはま・たそがれ』の詞を託す。「よこはま たそがれ ホテルの小部屋」と名詞をリズミカルに畳み掛ける斬新なスタイルは、当時の音楽出版業界に強烈な衝撃を与えた。
湿っぽい情緒に頼りがちだった従来の演歌の枠組みを鮮やかに打ち破り、映画のカット割りのような視覚的イメージで情景を喚起させる手法は革新そのものだった。この曲で五木ひろしは一躍トップスターへと駆け上がり、続いて発表された『夜空』で1973年の日本レコード大賞を射止める。作詞家・山口洋子の登場は、日本の歌謡史におけるひとつの分水嶺となった。