なぜ世界で死刑廃止が進むのか?日本の存続理由と賛否の真実
なぜ世界で死刑廃止が進むのか?日本の存続理由と賛否の真実の疑問点について、専門知識を基に徹底解説します。
死刑制度を巡る議論には、一般に誤解されている論点や見落とされがちな制度的現実が少なくありません。
よくある誤解の一つが、「日本には無期懲役があるから死刑を廃止しても代替できる」という認識です。日本の刑法における「無期刑」は終身刑とは異なり、受刑後30年程度を経過すると仮釈放の対象になり得る制度設計になっています。現行の実務上、仮釈放のハードルは極めて高くなっているものの、制度上「一生涯出所できない」ことが法的に担保されているわけではありません。
そのため、廃止論者・存続論者の双方から注目されているのが終身刑導入議論(仮釈放のない重無期刑の創設)です。しかし、終身刑の導入には以下のメリット・デメリットが存在し、法改正には至っていません。
- 終身刑導入のメリット:不可逆な死刑執行を避けつつ、凶悪犯を社会から永久に隔離できるため、冤罪被害が生じた際にも取り返しがつく。
- 終身刑導入のデメリット:受刑者に改善更生の希望を一切失わせるため獄中規律の維持が困難になるほか、生涯にわたる収容コストを税金で負担し続ける点への国民的批判が根強い。