お尻にしか見えないヒトデ?カワテブクロの正体と毒性・生態の全貌
お尻にしか見えないヒトデ?カワテブクロの正体と毒性・生態の全貌の真相について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。
これほど「お尻」と評される生物でありながら、なぜ和名は「カワテブクロ」なのでしょうか。その理由は、命名された当時の海洋学者たちの観察眼にあります。
カワテブクロ(学名:Choriaster granulatus)は、棘皮(きょくひ)動物門ヒトデ綱コブヒトデ科カワテブクロ属に分類されるヒトデです。海中で水分をたっぷり含んでパンパンに膨らんだ5本の短い腕を持つ姿が、「綿を詰めた肉厚の革製作業用手袋」に酷似していたことから名付けられました。現代のデジタルネイティブ世代がお尻を連想するのに対し、前時代のナチュラリストたちは実用的な道具の質感を見立てたという、時代の認知ギャップが浮き彫りになる興味深い由来です。
その生物学的な基本スペックと生息環境は以下の通りです。
- 生息地:熱帯・亜熱帯のインド洋から西部太平洋にかけて広く分布。日本国内では沖縄諸島や八重山諸島、奄美群島などの温暖な海域のサンゴ礁外縁や砂礫底(水深10m〜40m前後)に定住。
- 大きさ:中心から腕の先までの半径は約10〜15cm。成体の全幅(直径)は約25〜35cmに達し、ヒトデ類の中でも相当な重量感を持つ大型種。
- 食性・生態:腐食性および肉食性。海底に沈降した有機物(デトリタス)、微小藻類、弱った小動物、死んだ魚介類、サンゴの死肉などを主食とする。食事の際は胃を体外に反転(胃反転)させ、対象物に直接密着させて体外消化を行う。