卵胞とは?卵子との決定的な違いと排卵時の理想サイズ・育たない原因
卵胞とは?卵子との決定的な違いと排卵時の理想サイズ・育たない原因の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
定期的に超音波検査を受けていても、「月経14日目なのに卵胞が10mmから大きくならない」「排卵が止まってしまった」という事態に直面することがあります。卵胞が順調に育たない背景には、大きく分けて3つの要因が存在します。
第一に疑われるのが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)です。生殖可能年齢の女性の約5〜10%に見られる内分泌代謝疾患で、卵巣の皮(白膜)が硬厚化し、男性ホルモンやLHが高値になることで、卵巣内に小さな卵胞(2〜9mm)がネックレス状に多数並んだまま、ひとつも大きく育たなくなります。月経不順や無月経を伴うケースが多く、排卵誘発剤による適切なコントロールが求められます。
第二は、脳下垂体や視床下部の機能低下によるホルモン分泌不足です。過度な精神的ストレス、短期間での急激な体重減少、過労、睡眠不足などが重なると、脳は「生命の維持が最優先」と判断し、卵巣へ送るはずのFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌をシャットダウンします。その結果、卵胞発育が途中で停止してしまうのです。
そして第三が、体外受精の採卵現場で患者を深い失意に突き落とす「空胞(くうほう)」の問題です。採卵針を卵胞に刺して内部の液体(卵胞液)を吸引したにもかかわらず、その中に卵子が見つからない現象を指します。
「自分には卵子がもう入っていないのではないか」とパニックに陥る女性も多いですが、医学的な真相は異なります。本来、卵子は卵胞の内壁にしっかりと結合しており、排卵直前にLHサージの刺激を受けて壁から遊離し、液中に浮遊します。空胞が起こる主原因は、卵子がそもそも存在しなかったわけではなく、「トリガーの効きが弱く壁から外れなかった」「卵子の成熟が追いつかず未熟なまま変性していた」「採卵直前に自然排卵してしまっていた」という物理的・タイミング的要因がほとんどです。薬のプロトコル変更やトリガー時刻の微調整によって、次周期には問題なく採卵できるケースが多々あります。