蛍光色とは?普通のカラーと圧倒的に違う発光原理と驚きの実態を解明
蛍光色とは?普通のカラーと圧倒的に違う発光原理と驚きの実態を解明の背景について、専門知識を詳しくお届けします。
絵の具や印刷インキなど、世の中に存在する一般的な色は「反射光」によって認識されます。太陽や照明から降り注ぐ白色光(さまざまな波長の光が混ざったもの)が物体に当たると、特定の波長だけが吸収され、残りの跳ね返った波長が人間の網膜に届きます。赤いリンゴは「赤以外の光を吸収し、赤い光(約620〜750nm)だけを反射している」に過ぎません。このため、どんなに純度の高い鮮やかな塗料であっても、照射された光のエネルギー量を超えて反射することは物理的に不可能です。通常の反射率は、最も明るい白であっても80〜90%程度が上限となります。
これに対し、蛍光色の仕組みは根底から異なります。蛍光色の物体は、通常の可視光線を反射するだけでなく、人間の眼には知覚できない紫外線(約300〜400nmの不可視光線)を吸収します。そして、物質内の電子が励起状態から基底状態へ戻る際、吸収した紫外線エネルギーの一部を熱として消費し、残りのエネルギーを波長の長い「目に見える光(可視光線)」へと変換して外部へ再放出します。この物理化学現象はストークスシフト(Stokes shift)と呼ばれます。
つまり、蛍光色の表面からは「通常の反射光」に「紫外線から変換された自発光」がプラスされて放射されます。人間の目には、照射された可視光線の総量を超える光が返ってくるように錯覚するため、見かけの光線反射率が150%〜200%に達します。蛍光ペンで塗った箇所や蛍光色の服が、まるで内部に超小型の照明を仕込んでいるかのように発光して見えるのは、この紫外線と発光原理による客観的な物理現象です。
この性質を端的に証明するのがブラックライト反応です。可視光線をほとんどカットした暗室で365nm波長のブラックライトを照射すると、周囲は真っ暗なままであるにもかかわらず、蛍光素材だけが鮮烈な閃光を放ちます。目に見えない光を吸収して可視光線に変えるという、蛍光色本来の機能が剥き出しになる瞬間です。