ストローマグはいつまで使う?歯並びの弊害と後悔しないコップ移行術

ストローマグはいつまで使う?歯並びの弊害と後悔しないコップ移行術の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

なぜ多くの歯科医師や言語聴覚士は、ストローマグからの早期卒業を促すのでしょうか。その最大の理由は、ストローを吸う動作が「乳児型の飲み方(乳首を吸う動作)」の延長線上にあり、正しい口腔機能の発達を妨げるリスクがあるためです。

赤ちゃんは母乳やミルクを飲む際、舌を前後に動かして乳首をしごき、陰圧をかけて液体を吸い上げます。ストローマグで液体を飲む動作もこれに酷似しており、ストローを唇の奥深くまでくわえ、舌を突き出して吸い上げる運動になりがちです。本来、離乳食の完了期に向けて子どもは「唇を閉じて液体を口に含み、舌を上あご(口蓋)に押し当てて奥へ送り込む」という成人型の嚥下(えんげ)様式を身につけなければなりません。ストロー飲みを長期にわたって常態化させてしまうと、この成人型嚥下への移行がスムーズに進まなくなります。

日本小児歯科学会の報告や臨床現場の指摘によると、ストロー飲みによる具体的な弊害として以下の3点が挙げられます。

  • 開咬(オープンバイト)と上顎前突(出っ歯):ストローを強く噛んだり、舌を前に突き出して飲む癖(舌突出癖)がつくと、前歯の裏側に持続的な圧力がかかり、上下の前歯の間に隙間ができたり出っ歯の原因になります。
  • 低位舌と口呼吸の常態化:舌が上あごにつかず下あごに落ちたまま(低位舌)になると、口がポカンと開きやすくなり、鼻呼吸ではなく口呼吸が習慣化します。口呼吸は口腔内の乾燥を招き、虫歯リスクや感染症リスク、さらには将来の顔貌の発達にも悪影響を及ぼします。
  • 咀嚼・発音機能の未発達:舌の可動域や口輪筋(唇周りの筋肉)が正しく鍛えられないため、食べ物を奥歯でしっかりすりつぶす咀嚼機能や、サ行・タ行などの滑舌に支障をきたすケースが見られます。

「たかがマグの飲み口ひとつで」と考えがちですが、顎骨や歯列が急速に成長する1歳〜3歳の時期にどのような口の動かし方をしているかが、将来の歯並びや呼吸の質を左右する決定的な分岐点になります。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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