阿蘇・押戸石の丘の謎を解く!磁石が狂う巨石とシュメール文字の真相

阿蘇・押戸石の丘の謎を解く!磁石が狂う巨石とシュメール文字の真相の概要と注目ポイントをわかりやすく整理しました。

地学的な特異性にとどまらず、押戸石の丘を日本古代史最大のミステリーへと押し上げたのがペトログリフ(岩刻文字)の存在です。1989年、日本ペトログリフ学会による現地調査が行われ、ピラミッド状の巨石「鏡石」の平滑な側面に刻まれた幾何学模様が、古代メソポタミアのシュメール初期絵文字と酷似していると発表されました。

学会側の主張によると、刻まれている記号は蛇神や太陽神を意味する「バール神」や、豊穣の女神「イナンナ」を象徴する聖なるシンボルと解読され、太古の海洋民が有明海から阿蘇の内陸部まで遡上して祈りを捧げた痕跡であると推測されました。さらに、主石を取り囲む石組みが夏至・冬至の日の出・日の入り線、さらには春分・秋分の東西軸と正確に合致する「太陽暦石」の配置を持っていることから、古代巨石天文学の祭祀場であったという壮大な仮説が立ち上げられました。

一方で、主流のアカデミズム(正統派考古学・歴史学)側からは慎重な見解が示されています。安山岩が風化する過程で生じる自然のひび割れ(節理)に偶然似た形状が現れた可能性や、近代以降の遊牧民や農民が作業の過程で刻んだ傷が混在している可能性を否定できないためです。古代オリエント文明と九州内陸部が直接交差したという決定的な物質的証拠(同時代のオリエント遺物など)は未だ出土しておらず、この「文字の真相」は現在もロマンと学術批判のせめぎ合いの中にあります。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest