吉野家の深夜料金はなぜ導入?何時から何%加算か実態を徹底解剖

吉野家の深夜料金はなぜ導入?何時から何%加算か実態を徹底解剖についての最新情報をお届けします。

吉野家が深夜割増料金を導入したのは2022年11月のことでした。創業以来、長らく「同一価格・同一サービス」を貫いてきた老舗チェーンが、なぜ深夜料金という異例の舵切りを行ったのか。その背景には、単なる原材料費の値上げだけでは吸収できない、日本の労働市場とエネルギー事情の劇的な変化が存在します。

最大の理由は、深夜帯における人件費の急激な上昇です。労働基準法第37条により、午後10時から午前5時までの労働には基本給の「25%以上の割増賃金」を支払う義務があります。加えて、近年の全国的な人手不足に伴う基本時給の大幅な引き上げにより、深夜帯のクルー(アルバイト・パート)を確保するための実質時給は都市部で1,500円〜1,800円台へと跳ね上がりました。

さらに、2022年以降の原油高と急激な円安に伴う電気代の高騰が追い打ちをかけました。深夜であっても厨房機器を常時稼働させ、大型看板や客席の空調・照明を維持するための固定費は激増しています。かつては「昼夜問わず薄利多売で客数を稼ぐ」モデルが成り立っていましたが、深夜の来店客数がコロナ禍以降戻りきらないなか、昼間と同じ価格で夜通し営業を続けることは、店舗運営そのものの採算を崩壊させかねない深刻なリスクとなっていました。

「店舗の営業時間を短縮して深夜休業にするか、あるいは深夜料金を導入して24時間営業を死守するか」。同社が下した決断は後者でした。利便性を求める顧客の受け皿を維持しつつ、現場スタッフに適正な待遇を還元するための苦渋の防衛策こそが、7%という割増率に込められた真相です。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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