Abc予想と望月理論の現在|なぜ世界的論争は平行線をたどるのか
Abc予想と望月理論の現在|なぜ世界的論争は平行線をたどるのかを徹底追究! 読者が気になる 重要ポイントを凝縮して配信します。
2012年8月、望月教授が自身のウェブサイト上に論文をプレプリント(査読前論文)として突如公開した際、世界中の数学者が色めき立ちました。しかし、これまでの数論の常識を覆す専門用語や独自の公理系が多用されていたため、内容を精読できる研究者は世界でも数えるほどしか存在しませんでした。
事態が大きく動いたのは2018年です。ボン大学教授で同年にフィールズ賞を受賞した当代屈指の俊英ペーター・ショルツ教授と、数論幾何学の権威ジェイコブ・スティックス教授が京都大学を訪問。望月教授らと1週間にわたる直接対話を行いました。
しかし会談後、ショルツ教授らは「理論の要である第3論文の『系3.12』の証明に深刻な論理の飛躍(ギャップ)が存在し、修復は不可能である」とする報告文書を公表しました。これに対し望月教授側も即座に反論文を発表。「ショルツ氏らの指摘は、理論の前提となる論理構造を従来の簡約化された枠組みに誤って当てはめた初歩的な誤読に基づくものである」と真っ向から反論しました。トップレベルの知性が直接対峙しながらも、結論は「根本的な見解の相違」として決裂することとなったのです。