聖徳太子の本音とは?「和を以て貴しとなす」が暴く組織対立の真実
聖徳太子の本音とは?「和を以て貴しとなす」が暴く組織対立の真実の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
誰もが知るこの言葉の出典は、推古天皇12(604)年に聖徳太子(厩戸皇子)が制定したとされる「十七条憲法」の第一条冒頭にある。「和(やわらぎ)を以て貴しとなし、忤(さから)うこと無きを宗とせよ」。この一文だけを切り取ると、無批判に従うことが美徳であるかのように読める。しかし、同条文の後半には「人皆党(なかま)あり、また達(さと)れる者少なし」「上和(かみやわら)ぎ下睦(しもむつ)びて、事を論ずるに諧(かな)うときは、事理自(おのずか)ら通ず」と明確に続く。
最新の研究が浮き彫りにしたのは、当時の宮廷が抱えていた深刻な分断だ。太子が警戒したのは、派閥(党)を作って閉鎖的な議論に終始し、大局を見失う人間の習性そのものだった。「和」とは衝突を避けることではない。上下の垣根を取り払い、対立する者同士がテーブルについて徹底的に論争(事を論ずる)し、客観的な道理(事理)に到達せよという、極めてプラグマティックな対立調停の指示だったのだ。