ざるそばともりそばの違いの真相!海苔だけではない歴史とつゆの秘密
ざるそばともりそばの違いの真相!海苔だけではない歴史とつゆの秘密を徹底追究! 知っておきたい 重要ポイントを凝縮して配信します。
品書きには「もり」「ざる」のほかに「せいろそば」という表記も頻繁に現れます。ここで生じる疑問が、せいろそばとざるそばの違い、そして蕎麦屋における器と盛り付けの使い分けです。
「せいろ(蒸籠)」の起源は、江戸時代初期に蕎麦粉100%の「生粉打ち(十割蕎麦)」を提供していた時代に遡ります。当時の十割蕎麦はつなぎの小麦粉が入っていないため切れやすく、湯で茹でると形が崩れてしまうことから、蒸籠に入れて蒸気で蒸し上げてそのまま客に提供していました。その後、小麦粉をつなぎに使う二八蕎麦が開発されて茹でることが可能になりましたが、器としての蒸籠の風情や保温性・水切り効果が好まれ、現代まで器の形状として継承されています。
現代における器の構造的な違いを整理すると、次のようになります。
- もりそばの器:本来は陶器の平皿や、スノコを敷いていない木製の皿。水分が切れにくいため、茹でたての蕎麦を迅速に手繰ることが前提とされる。
- ざるそばの器:竹を編んだ「ざる」、あるいは底に竹スノコを敷いた角型・丸型の専用蒸籠。水分が自然に下に落ち、蕎麦が水っぽくなるのを防ぐ。
- せいろそばの器:四角い漆塗りの枠にスノコを固定した重箱状の器。現在ではもりそばをせいろに盛って「もり蕎麦=せいろ蕎麦」と同義で扱う店が非常に多い。
蕎麦は水気を嫌う繊細な麺類です。時間が経つにつれて表面の水分が麺をふやけさせ、風味が著しく損なわれます。ざるやスノコを用いた器は、単なる視覚的な演出ではなく、最後の一口まで麺のコシと瑞々しさを維持するための合理的な道具として進化を遂げたのです。