新十津川駅の現在と廃線跡の真実|日本一早い終電が消えた理由と今
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ネット上や旅番組などでは「過疎化によって町から鉄道が奪われた悲哀の終着駅」という文脈で語られがちな新十津川駅ですが、交通工学および地域実態の観点から見ると、まったく異なる真実が浮かび上がってきます。
実は、新十津川町の中心部から石狩川を跨いだ対岸には、JR函館本線の主要拠点である滝川駅が存在します。新十津川駅と滝川駅の直線距離はわずか約4km。路線バス(北海道中央バス)に乗れば約15分、平坦なルートのため徒歩でも50分程度で移動できる距離感に位置しています。
札幌方面へ向かう場合、新十津川駅からJR札沼線(学園都市線)の非電化ディーゼルカーに揺られ、途中の石狩当別(現・当別)で電車に乗り換えると2時間以上かかります。一方、橋を渡って滝川駅へ出れば、1時間に1〜2本運行されている函館本線の特急「カムイ」「ライラック」を利用することで、わずか約50分で札幌駅に直結します。
つまり、新十津川町民にとっての日常的な大動脈は、札沼線ではなく初めから「滝川駅連絡ルート」だったのです。鉄道ファンが好んで使った「新十津川から滝川への徒歩ワープ」こそが、皮肉にも地元住民にとっての合理的な日常交通そのものであり、札沼線が生活路線として見切られた最大の構造要因でした。