1セントは何円?急変動するドル円相場で損しない小額換算の真実

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現物の1セント硬貨に目を向けると、通貨制度そのものが抱える巨大な矛盾が浮かび上がる。表面に刻まれているのは、奴隷解放宣言で知られる第16代大統領エイブラハム・リンカーンの肖像だ。この伝統ある赤銅色の硬貨を製造しているのがアメリカ合衆国造幣局だが、原材料である亜鉛と銅の価格高騰により、1セント硬貨1枚を鋳造するために約3セント以上の公費がかかっている。

額面以上の製造コストがかかる「シニョリッジ(通貨発行益)の逆転現象」は、米議会でも長年廃止論争の火種となってきた。それでもなお市場から完全に駆逐されないのは、小売業界の価格設定や消費者の心理的抵抗があるからだ。日本円に換算してわずか1円50銭前後の硬貨が、アメリカ政府に毎年数千万ドル規模の製造赤字をもたらしているという皮肉は、通貨という存在の不可思議さを物語っている。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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