不完全右脚ブロックは放置できる?健診で指摘された症状と危険なサイン

不完全右脚ブロックは放置できる?健診で指摘された症状と危険なサインの疑問点について、専門知識を詳しくお届けします。

前述の通り、不完全右脚ブロックという電気伝導の遅れ自体は自覚症状を生みません。裏を返せば、「不完全右脚ブロックを指摘されている人が、動悸や息切れ、めまい、胸部不快感を感じている場合、別の病態が隠れている可能性が極めて高い」という事実を意味します。

臨床現場において最も注意深く鑑別されるのが、成人期に発見される心房中隔欠損症(ASD)です。心房中隔欠損症とは、右心房と左心房の壁に先天的な孔(あな)が開いている疾患です。左心房から高圧の血液が右心房へと漏れ出し(短絡血流)、肺や右心系に過剰な血液負荷がかかり続けます。

幼少期には無症状で経過し、学校健診をすり抜けることも珍しくありません。しかし、30代から50代にかけて右心室が徐々に拡大すると、右脚が物理的に引き伸ばされて電気伝導が遅延し、心電図上に不完全右脚ブロックとして表出します。この段階になると、以下の症状が現れ始めます。

  • 労作時の息切れ:駅の階段を登ったり、早歩きをしたりした際に、同年代と比べて明らかに息が上がる。
  • 発作的な動悸:安静時に突然、胸がトクトクと速く打つような感覚や、脈が不規則に乱れる不整脈(心房細動など)を伴う。
  • 全身の倦怠感・むくみ:右心不全の進行に伴い、夕方に下肢のむくみが顕著になり、疲労感が抜けにくくなる。

心房中隔欠損症のほかにも、肺高血圧症や右心室心筋症、心膜炎などの疾患が右室に負荷を与え、二次的に不完全右脚ブロックの波形を形成している事例が報告されています。単なる伝導障害と侮り、「歳をとって体力が落ちただけ」と自己判断して動悸や息切れを放置することは、治療可能な心疾患の発見を遅らせる重大なリスクにつながります。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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