左側が見えないのは目の病気ではない?半側空間無視の真実と最新リハビリ
左側が見えないのは目の病気ではない?半側空間無視の真実と最新リハビリに関するポイントを詳しくまとめました。詳細な解説をチェックしましょう。
リハビリテーション病棟や在宅介護の現場を取材すると、半側空間無視がもたらす最大の障壁は、身体麻痺そのもの以上に「家族と本人の心理的断絶」にあることが浮き彫りになります。
脳卒中から回復途上にある当事者の手記には、当時の知覚体験が生々しく綴られています。
「左側から話しかけられても、誰もいない空間から声が聞こえるように感じて恐怖だった」
「家族から『なぜ左を見ないのか』『気を抜いているから壁にぶつかるんだ』と責められたが、自分には世界が100%完璧に見えているのに、なぜ怒られているのか分からず悔し涙を流した」
一方、介護にあたる家族側の負担も限界に達しがちです。食事のたびに左半分を残され、「まだ残っているよ」と指摘すると本人が不機嫌になる。車椅子で移動すれば左側の足や腕を壁に擦りつけ、皮下出血を作ってしまう。現場を支援する専門職は次のように語ります。
「家族からすると『わざと無視しているのではないか』『だらしなくなった』と映ってしまい、苛立ちをぶつけてしまうケースが極めて多い。しかしこれは本人の意思や怠慢の問題ではなく、脳の回路が遮断されている医学的な現象です。家族自身が『見えていないのではなく、認識の世界に左が存在しない』という事実を受け入れるまでに、心理的カウンセリングを含めた長い時間を要します」