イニシエーションラブ最後の2行のネタバレとトリック徹底考察

イニシエーションラブ最後の2行のネタバレとトリック徹底考察にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

乾くるみが仕掛けた最大の罠は、カセットテープの構造を模した「Side A」と「Side B」のチャプター構成にあります。通常の小説であれば、Side Aの結末の後にSide Bの出来事が続く「前後関係」を想定するのが自然な心理です。しかし、作中に散りばめられた当時のヒット曲や時代背景を丹念に照合すると、この2つの物語は1987年の同じ夏から冬にかけて同時並行していたことが判明します。

時系列を再構築すると、実際の出来事は次のように流れていました。

まず1986年、自動車部品メーカーに勤める青年・鈴木辰也が静岡で成岡繭子と出会い、交際をスタートさせます。これが「本物のタッくん」です。翌1987年春、辰也は東京本社への転勤を命じられ、静岡に残るマユとの遠距離恋愛が始まります。東京で洗練された大人の女性・石丸美弥子に出会った辰也は急速に心変わりし、静岡のマユへの連絡を怠るようになります。

東京の辰也に放置され、孤独に耐えかねたマユが静岡で参加した合コンが、まさにSide Aの冒頭(1987年7月下旬)でした。そこでマユが出会ったのが、静岡大学に通う奥手で太った男子学生「鈴木夕樹」です。マユは夕樹に「タッくん」という愛称を付け、好みの男性へと改造し始めます。つまり、辰也が東京で美弥子に溺れていく裏で、マユは静岡で夕樹をキープし、やがて本命へと乗り換えていたのです。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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