逃げ得を許さない!第三者からの情報取得手続で隠し財産を暴く全手順
逃げ得を許さない!第三者からの情報取得手続で隠し財産を暴く全手順にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。
第三者からの情報取得手続を検討する際、多くの人が直面する「落とし穴」が存在します。法文上の要件を正しく把握していないと、申立書を裁判所に提出しても却下される事態に陥ります。
第一の盲点は、利用できない理由と注意点の中でも特に重要な「債権の種類による制限」です。勤務先を特定するための情報取得手続(市区町村・年金機構への照会)は、すべての債権者に認められているわけではありません。利用できるのは、以下の2つの債権に厳格に限定されています。
- 扶養義務等に係る定期金債権:養育費や婚姻費用など
- 生命または身体の侵害による損害賠償請求権:交通事故による人身損害、傷害事件、不法行為による慰謝料など
知人間での借金の未返済(一般の金銭消費貸借)や、取引先の売掛金未払いといった通常の金銭債権では、第三者からの情報取得手続を使って市町村から勤務先を聞き出すことは法的に不可能です。この制限を知らずに申し立てを試み、徒労に終わるケースが後を絶ちません。
第二の盲点は、「財産開示手続の前置要件」です。金融機関に対する預貯金照会は直ちに申し立てることができますが、不動産情報取得や勤務先情報の取得を行うためには、原則として「過去3年以内に財産開示手続を実施したにもかかわらず、全額回収に足りる財産が判明しなかった」という実績が必要となります。いきなり市町村や法務局へ照会をかけられるわけではなく、二段階の手順を踏まなければならない構造を理解しておく必要があります。
第三の盲点は、申立費用と予納金のコスト設計です。申立手数料(収入印紙)自体は1件あたり1,000円〜2,000円程度ですが、金融機関ごとに数千円の予納金(郵券代や取扱手数料)が発生します。メガバンク4行とゆうちょ銀行、主要地銀の計6機関に一斉照会をかければ、予納金だけで数万円の出費となります。債権額が十数万円程度の少額である場合、費用対効果のバランスが崩れるリスクを考慮しなければなりません。