追い越しと追い抜きの決定的な違いとは?進路変更と違反の落とし穴

追い越しと追い抜きの決定的な違いとは?進路変更と違反の落とし穴とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。

インターネット上の質問サイトやSNS上で常に賛否両論の激論が巻き起こるのが、二輪車による「すり抜け」問題です。朝夕の渋滞路や赤信号の手前で、車の間を縫うように前方へ進出するバイクの行為は、法的にどう解釈されるのでしょうか。

結論から言えば、バイクのすり抜けと追い抜き違反の関係は、状況と車線境界線の引き方によって適法と違法が紙一重で分かれます。警察庁の運用指針や現場の交通機動隊員の解説に基づくと、以下の3つの基準で厳密に峻別されています。

第一に、赤信号などで「完全に停止している車両」の側方をすり抜けて前へ出る行為です。停止中の車の横を通過すること自体は、相手が「進行中」ではないため、定義上の追い越しや追い抜きには該当しません。自車線内の安全な側方間隔を保ちながら前方の停止線まで直進するだけであれば、直ちに違法とは言えません。しかし、前車の側方を通過した後にその車の直前に無理やり頭をねじ込んだり、停止線を数センチでも越えて止まった場合は「割り込み等の禁止(道路交通法第32条違反)」や「信号無視(赤色等の灯火)」が成立します。

第二に、「低速で動いている車列」の左側をすり抜ける行為です。走行中の車の左側をすり抜け、そのまま前方の車の前に出ようとする挙動は、まさに「左側からの追い越し」に該当し、追越し方法違反となります。大型トラックやバスの左側をすり抜ける行為は、ドライバーの死角に入り込むだけでなく、巻き込み事故の最大要因となるため、現場の白バイ隊も極めて重点的に制止・検挙を行っています。

第三に、車線境界線が「黄色実線」である場合のすり抜けです。黄色実線が引かれた車線において、車線をまたぐようにジグザグ走行しながら車列を追い越す行為は、進路変更禁止違反やはみ出し通行禁止違反の対象となります。SNS上では「バイクは車体が小さいから車線内なら何をやっても自由だ」という極端な言説が散見されますが、道路交通法第70条に定められた安全運転義務違反を含め、過酷な取り締まりリスクと事故リスクを常に背負っているのが実態です。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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