「持つべきものは友」の本当の意味とは?由来と真の友人を見抜く心理学
「持つべきものは友」の本当の意味とは?由来と真の友人を見抜く心理学について分かりやすく解説いたします。最新の情報をチェックしてください。
「持つべきものは友」の辞書的な定義は、「持つなら、何よりも良き友人を持つのが一番である」「困ったときに助けてくれるのは、やはり頼りになる友人である」という、友人の存在の尊さをしみじみと実感した際に発する言葉です。単なる社交辞令や飲み仲間を指すのではなく、逆境に立たされたときにこそ真価を発揮する人間関係を称えるニュアンスを含んでいます。
では、この言葉はいつ頃から日本人の間で使われるようになったのでしょうか。国語学や近世文学の文献調査によると、そのルーツは室町時代末期から江戸時代初期にかけて成立した古典芸能「狂言」に見出せます。狂言の演目の一つである『今参(いままいり)』の台詞の中に「持(もつ)べきものは友ぢゃ」という表現が登場しており、これが文献上確認できる最古の用例の一つとされています。
さらに江戸時代中期から後期に入ると、式亭三馬の『浮世風呂』や為永春水の情史・人情本といった町人文学の中でも、庶民が日常のトラブルを友人の助力を得て乗り越える場面で「持べきものは友」という言い回しが頻繁に顔を覗かせます。長屋の暮らしなど、血縁関係に頼れない都市生活者同士が助け合って生きていくための「生活の知恵」として、民衆の間で自然発生的かつ強固に定着していったのが語源の真相です。