藤原とうふ店の自家用表記はなぜ?ハチロクの真相と実在モデルの現在
藤原とうふ店の自家用表記はなぜ?ハチロクの真相と実在モデルの現在の疑問点について、専門知識を基に徹底解説します。
作中に登場する「藤原とうふ店」の外観には、明確な実在モデルが存在します。群馬県渋川市中心部にあった「藤野屋豆腐店」です。昔ながらの木造店舗とガラガラと開く引き戸、手作りの看板が並ぶ風情ある佇まいは、漫画やアニメの描写そのままでした。
2005年に公開された実写映画版『頭文字D THE MOVIE』(香港制作・アンドリュー・ラウ監督)の撮影時には、この藤野屋豆腐店の外装をそのまま使い、看板を「藤原とうふ店」に掛け替えて大々的なロケが行われました。映画公開後は全国からファンが詰めかける聖地となりましたが、店主の高齢化と渋川市の区画整理事業が重なり、惜しまれつつ2006年に閉店、その後建物は解体される運命を辿りました。
しかし、貴重なカルチャー遺産が消滅することを惜しんだ「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」(群馬県北群馬郡吉岡町)の横田正弘館長の手によって、奇跡的なプロジェクトが動きます。解体時に店舗の看板、木製引き戸、軒先テント、店内の豆腐製造器具などを丁寧に譲り受け、同博物館の敷地内へ完全移設・再現したのです。
現在でも同博物館には、当時の店舗ファサードと、その前に佇む白黒パンダトレノが展示されており、世界中からファンが訪れる聖地巡礼の重要拠点として保存されています。歴史を風化させず、地域遺産として守り抜いた民間主導のアーカイブ事業としても極めて高い評価を受けています。