ざるそばともりそばの違いとは?海苔とつゆの歴史から徹底解剖

ざるそばともりそばの違いとは?海苔とつゆの歴史から徹底解剖とはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

では、つゆと器の違いだった両者に、なぜ「海苔」が介入することになったのでしょうか。その背景には、明治時代に入って巻き起こった「飲食業界の模倣合戦」がありました。

伊勢屋のざるそばが大ヒットした結果、明治期になると江戸・東京中の蕎麦屋がこぞって竹ざるを導入し、「ざるそば」と銘打って提供し始めました。器が同じ竹ざるになってしまったことで、客側から「もり」と「ざる」の見た目の区別がつかないという苦情が相次ぐようになったのです。

そこで明治期、浅草の蕎麦屋「岡田屋」が考案したとされるのが、刻み海苔をのせる理由と真相です。当時、東京湾で採れる「浅草海苔」は風味豊かな高級食材でした。岡田屋は、自店のざるそばが他店の安価なもりそばとは根本的に異なる高級品であることを一目で証明するため、蕎麦の上に最高品質の刻み海苔をたっぷりと散らして提供しました。

視覚的なインパクトに加え、海苔に含まれるグルタミン酸と、鰹出汁のイノシン酸が口の中で出会うことで、強烈な「旨味の相乗効果」が生まれます。この斬新な組み合わせは東京中で熱烈な支持を集め、やがて「ざるそば=刻み海苔がのっているもの」という認識が全国津々浦々へと定着していきました。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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