カフスボタンとは?正しい付け方・マナーと袖口を格上げする秘訣
カフスボタンとは?正しい付け方・マナーと袖口を格上げする秘訣とはどのようなものなのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。
カフスボタンとは、ワイシャツやブラウスの袖口(カフ)を留めるために用いる着脱式のアクセサリーです。日本では「カフスボタン」の呼称が広く浸透していますが、英語圏では「カフリンクス(Cufflinks)」と呼ぶのが一般的であり、ファッション業界や百貨店のフォーマルサロンでもカフリンクスという正式名称が定着しています。厳密には「カフス」が袖口そのものを指す言葉であるため、「袖口を繋ぐ留め具(リンクするもの)」という意味でカフリンクスと呼ばれます。
「普通のボタンが付いていれば十分ではないか」と感じる方も少なくありません。しかし、カフスボタンの役割は単なる布の固定にとどまりません。欧米の伝統的な紳士服の文脈において、スーツ着用時に許されるアクセサリーは「時計」「結婚指輪」、そして「カフリンクス」の3点のみとされてきました。つまり、無駄を削ぎ落とした男性の装いにおいて、自己表現と知的な品格を演出できる唯一無二の装身具という決定的な存在理由があるのです。
その意味と由来は17世紀のフランス宮廷にまで遡ります。当時の貴族たちは袖口を飾るフリルやレースをリボンで結んでいましたが、ルイ14世の時代に金属の鎖で結ばれたガラスやゴールドのボタンで留めるスタイルが登場しました。19世紀の産業革命期には、糊(のり)で極限まで硬く固めた衿や袖口のシャツが紳士のステータスとなったため、針を通す縫い付けボタンではなく、専用の穴に挿入して袖を固定する頑丈なカフリンクスが不可欠な実用品として普及していきました。
袖口に見られる「謎の穴」は、このクラシックな名残であり、現代のシャツにも受け継がれている機能的なディテールなのです。