インプラント1本の費用相場は?30万〜50万円の真実と格安の罠
インプラント1本の費用相場は?30万〜50万円の真実と格安の罠についての最新情報をお届けします。
「インプラントも条件を満たせば保険がきくのではないか」という期待の声を耳にしますが、結論から言えば、一般的な虫歯や歯周病、加齢による抜歯でインプラントが保険適用されることは原則としてありません。
厚生労働省が定めるインプラント保険適用条件は極めて厳格であり、以下の疾患・状態に限定されています。
- 生まれつき顎の骨の1/3以上が欠損している先天性疾患(唇顎口蓋裂など)
- 腫瘍の切除手術や外傷、事故などによって広範囲の顎骨を失った状態
- 指定難病などに起因して永久歯が15本以上先天性に萌出しない無歯症
さらに、保険適用でインプラントを実施できる医療機関も「歯科または口腔外科を標榜する大学病院等の総合病院」「当直体制や集中管理設備が整った特定機能病院」などに限られており、街の一般歯科クリニックで日常的に保険インプラントを受けることは制度上不可能です。
しかし、公的な負担軽減策が一切ないわけではありません。実質的な救済措置として機能しているのがインプラント医療費控除です。
インプラント治療にかかった費用は、国税庁より「容ぼうを美化するためではなく、噛む機能を回復するための医療行為」と認められており、確定申告を行うことで所得控除の対象になります。本人だけでなく、生計を一にする配偶者や子どもの医療費も合算して申告可能です。
例えば、課税所得500万円(所得税率20%+住民税率10%=計30%)の会社員が、インプラント治療に総額40万円を支払った場合を試算してみましょう。
医療費控除額は「支払った医療費(40万円)- 控除下限額(10万円)= 30万円」となります。この30万円に対して税率30%が適用されるため、所得税の還付(6万円)と翌年度の住民税減額(3万円)を合わせ、合計9万円の税負担が軽減されます。つまり、40万円の治療が実質31万円で受けられる計算になります。
また、一度にまとまった現金の用意が難しい場合、歯科医院提携のローンを利用する手もあります。注意すべきはデンタルローン金利です。一般的な実質年率は3.5%〜8.0%前後で設定されており、クレジットカードのリボ払い(年15.0%程度)よりは大幅に低利ですが、分割回数を多くしすぎると利息負担が膨らみます。デンタルローンによる分割払いであっても、契約が成立した年の確定申告で「治療費総額」を医療費控除として一括計上できる点は、知っておくべき重要な節税テクニックです。