イギリス4つの国はなぜ分かれている?歴史と決定的な違いを徹底解説
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ワールドカップや欧州選手権(EURO)において、「イギリス代表」という統一チームは原則として存在しません。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4協会がそれぞれ個別の代表チームを編成し、互いに予選を戦います。これにはスポーツの歴史における先駆者特権が関係しています。
世界で最初に近代サッカーの統一ルールが制定されたのは1863年のイングランドでした。続いてスコットランド、ウェールズ、アイルランド(現北アイルランド協会へ継承)に協会が設立され、1872年には世界初の公式国際試合(イングランド対スコットランド)が開催されました。この時点で、世界には彼ら4つの協会しか存在していなかったのです。
世界の統括団体であるFIFA(国際サッカー連盟)が設立されたのは1904年のことですが、すでに独自のリーグと代表戦を確立していたイギリスの4協会は、加盟の条件として「それぞれが独立した協会として活動を継続すること」を要求しました。FIFAはサッカー発祥の地への敬意と加盟促進のため、この特例を承認したのです。
現在でも、サッカーの公式ルールを決定する「国際サッカー評議会(IFAB)」の議決権8票のうち、4票はイギリスの4協会(各1票)が保持しており、残り4票をFIFAが一括して保有しています。ルールの改正には75%(6票以上)の賛成が必要なため、イギリスの4協会が一致団結して反対したルールは絶対に可決されない仕組みになっており、国際フットボール界における絶大な権権が維持されています。
なお、国際オリンピック委員会(IOC)は「1つの主権国家につき1代表」という原則を厳格に適用しているため、五輪では「Team GB(英国代表)」として単一チームで出場します。しかし、サッカー競技においては「統一チームを結成するとFIFAから単独協会の地位を剥奪されるのではないか」というスコットランドやウェールズ側の警戒感が根強く、2012年のロンドン五輪を除いて男子代表の結成は見送られ続けています。