巨大船を甦らせる匠の鉄構技術!南九州の海を支える造船最前線

巨大船を甦らせる匠の鉄構技術!南九州の海を支える造船最前線にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

鹿児島港の一角に位置する広大な敷地には、重機と鋼材が整然と並び、独特の緊張感が漂う。海水が完全に排水された巨大な船舶修繕ドライドック施設へ足を踏み入れると、頭上にそびえ立つ数千トン級の船底が視界を圧倒する。普段は海面下に隠れているキール(竜骨)やスクリュープロペラ、舵の細部が剥き出しになり、付着した貝類や海藻の除去作業が手際よく進められていく。

船をドック内へ安全に引き込み、盤木の上に狂いなく着座させる作業を統括するのが、ドックマスター(操渠責任者)だ。潮の満ち引き、風向、船体のトリム(傾斜)を瞬時に計算し、数センチのズレも許されない操船と注排水の指揮を執る。水が引いた瞬間に現れる船体構造の摩耗度合いを見極め、工期内に完璧な状態へ戻すための工程を瞬時に再構築する判断力は、長年の経験に裏打ちされた匠の領域である。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest