外郎売の全文と現代語訳・ふりがな解説|声優必修の滑舌練習法
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『外郎売』は、江戸時代の享保3年(1718年)、江戸の中村座において二代目 市川團十郎が初演した歌舞伎の演目です。市川宗家の十八の得意芸を集めた「歌舞伎十八番」の一つに数えられ、團十郎自身の並々ならぬ実体験と感謝の念から誕生しました。
当時、二代目團十郎は喉の病気を患い、役者生命を脅かされるほどの声の不調に苦しんでいました。その窮地を救ったのが、相州小田原の老舗・外郎家が製造・販売していた万能薬「透頂香(とうちんこう)」だったと伝えられています。薬効によって声を取り戻した團十郎は、外郎家への深い謝意を込め、薬の由来や効能を巧みなセリフ劇に仕立てて舞台で披露しました。これが観客の間で熱狂的な支持を集め、今日まで受け継がれる伝説の口上となったのです。
なお、お菓子の「ういろう(外郎餅)」も、もともとはこの外郎家が来客のもてなしのために考案した米粉の蒸し菓子がルーツであり、薬と菓子は同じ一族の歴史から生み出された文化的兄弟関係にあります。