漂流するサブカルチャーの神様:リリー・フランキーの「何者でもなかった時代」が、令和の若者に刺さる理由
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大学を卒業した後のリリー・フランキーは、絵に描いたような「だめ人間」だった。アルバイトを始めても数日でクビになり、アパートの家賃は数ヶ月滞納するのが当たり前。電気やガスが止められた暗闇の中で、ただひたすらに時間を浪費する日々を送っていたという。
当時の彼を突き動かしていたのは、明確な野心ではない。むしろ、「何者かにならなければいけない」という社会的プレッシャーに対する、静かな拒絶だった。この時期の圧倒的な「何もしない時間」こそが、のちに彼の唯一無二の観察眼と、人間の弱さに対する限りない優しさを育む土壌となったのだ。