ストレスは癌の直接原因か?最新研究が明かす免疫低下と発がんの真相
ストレスは癌の直接原因か?最新研究が明かす免疫低下と発がんの真相の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。
「強いショックを受けると癌になる」という言説は、古くから広く信じられてきました。しかし、がんとストレスの因果関係をめぐる医学界の定説は、巷のイメージとは一線を画しています。
日本国内で実施された多目的コホート研究(JPHC研究)をはじめとする国立がん研究センターの調査データでは、10万人規模の対象者を長期追跡した結果、「自覚的なストレスレベルの高さ」と「全がんの発症リスク」との間に直接的な相関関係は認められませんでした。海外のメタ解析でも同様の結果が示されており、精神的ストレスが直接細胞のDNAを傷つけてがん化の第一歩を踏み出させるわけではない、というのが現代医学の客観的な結論です。
ただし、これで「ストレスは無関係」と片付けることはできません。精神的負荷は直接の引き金(イニシエーター)ではないものの、体内の防御システムを揺るがす「強力な促進因子」として働くことが分かっています。