三島市の風土と住みやすさの真実|富士の湧水と歴史が紡ぐ街のリアル
三島市の風土と住みやすさの真実|富士の湧水と歴史が紡ぐ街のリアルの要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。
三島市を歩くと、澄み切った水が勢いよく流れる川や池、水路が網の目のように市街地を巡っている光景に目を奪われます。なぜ三島市はこれほどまでに豊かな水資源に恵まれているのか。その理由は、地球科学的な富士山の火山活動と特殊な地形構造にあります。
今から約1万年前に富士山が噴火した際、流れ出た「三島溶岩流」が愛鷹山と箱根山に挟まれた谷間を南下し、現在の三島市街地付近で末端を迎えました。富士山に降った雨や雪は、多孔質で隙間の多い溶岩層へと浸透し、不透水層の上を約数十年の歳月をかけてゆっくりと伏流水となって下っていきます。そして、三島溶岩の先端にあたる三島駅周辺や市内各所で、ミネラルを豊富に含んだ地下水が一気に地表へと噴出します。これが三島湧水群のメカニズムです。
国の天然記念物及び名勝に指定されている市立公園「楽寿園」内にある小浜池は、まさにその溶岩末端の象徴です。富士山の雪解け水が地下水位を押し上げる初夏から秋にかけて満水となり、渇水期には溶岩の荒々しい岩肌が露出するというダイナミックな自然景観を見せます。さらに、街中を流れる源兵衛川は全長約1.5kmの湧水河川であり、初夏には天然のホタルが舞い、清流の象徴である水中植物「ミシマバイカモ(三島梅花藻)」が可憐な白い花を咲かせます。
地質学的にも、北部の箱根山西麓の傾斜地から南部の田方平野へと続く緩やかな傾斜地形が、水の自然流下を促し、水が澱むことなく常に循環する風土を形作っています。生活空間のすぐ足元を清流が流れる環境は、全国的にも類を見ない三島独自の地理的アイデンティティといえます。