バリアフリーとユニバーサルデザインの違いは?実例と盲点から本質を解剖

バリアフリーとユニバーサルデザインの違いは?実例と盲点から本質を解剖について徹底解説いたします。専門家の見解をご覧ください。

私たちの身の回りを見渡すと、バリアフリーとして導入された設備と、ユニバーサルデザインの発想から生まれた製品が混在し、ときに融合しながら定着しています。

身近なユニバーサルデザイン製品一覧

ユニバーサルデザインの好例として筆頭に挙げられるのが、シャンプーボトルのきざみです。洗髪中、目をつぶっていたり泡が目に入りそうだったりする状況下でも、側面にギザギザの刻み目があるだけでリンスやコンディショナーと瞬時に判別できます。この仕組みは、大手消費財メーカーの花王が視覚障害者の声を受けて1991年に開発したものですが、同社は実用新案権の権利行使を取り下げ、業界各社へ無償公開しました。その結果、日本工業規格(現・日本産業規格:JIS)にも採用され、視覚障害者だけでなく、健常者が目を開けられない状態でも恩恵を受ける世界的な共通仕様となりました。

また、駅や空港、商業施設で見られる案内用ピクトグラムの普及も代表例です。非常口、トイレ、エレベーターなどのシンボルマークは、日本語が読めない訪日外国人、文字をまだ習っていない子ども、高齢者でも瞬時に直感理解できます。これも原則3(直感的な利用)と原則4(認知できる情報)を体現したユニバーサルデザインです。

その他にも、以下のような製品・設備が日常に浸透しています。

  • 自動ドアやセンサー式水栓:荷物で両手が塞がっている人、握力の弱い子ども、車椅子ユーザーの誰もが無理なく操作可能。
  • 幅の広い自動改札機:大型スーツケースを持つ旅行者、ベビーカーを押す保護者、車椅子の利用者が同じ通路をスムーズに通過できる。
  • 両利き対応のハサミ・プッシュ式文具:右利き・左利きの双方がストレスなく扱える。
  • 多機能な自販機の低位置ボタン:小さな子どもや車椅子に座った状態でも手が届く設計。

バリアフリーの具体例とその進化

一方、バリアフリーの代表格といえば、ノンステップバスとスロープの組み合わせです。超高齢社会における移動の足を確保するため、従来のバスにあった2段の昇降ステップをなくし、床面を地面すれすれまで低く設計したノンステップバスが普及しました。停留所と車体のわずかな段差や隙間に対しては、乗務員が手動スロープ板を渡すことで、車椅子ユーザーの乗降を確実なものにしています。

また、歴史的建造物や古い駅舎に見られる段差解消用の斜路(後付けスロープ)や階段昇降リフトも、純粋なバリアフリーの産物です。既存の構造を大きく破壊することなく、移動制約者の動線を確保するために後から追加された工夫といえます。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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