モズの早贄はなぜ串刺しにする?食べない理由と最新研究の真相
モズの早贄はなぜ串刺しにする?食べない理由と最新研究の真相とはどんな影響があるのか? 背景や要点を整理してお届けします。
早春から初夏にかけて散歩をしていると、小枝にカエルやカナヘビが真っ黒に干からびたまま放置されているのを見かけることがあります。この光景から、世間では「モズは記憶力が悪く、隠した場所を忘れてしまう鳥頭なのだろう」という誤解が広く信じられてきました。
しかし、近年の追跡調査により、モズは驚異的な空間記憶能力を備えており、自らの縄張り内にある数十箇所の早贄の場所を高い精度で把握していることが判明しています。では、なぜ一部の獲物は食べられずにミイラ化してしまうのでしょうか。現場データから導き出される理由は、以下の4つの要因に整理されます。
第一は、「暖冬による生餌の充足」です。暖冬で冬場も昆虫や活動中の小動物が容易に手に入る場合、わざわざ乾燥して硬くなった保存食を食べる必要が薄れます。新鮮な生餌を優先した結果、早贄が手つかずのまま残されることになります。
第二は、「縄張り主の喪失や交代」です。モズ自身がタカやフクロウ、イタチ、野良猫などの天敵に捕食されて命を落としたり、縄張り争いに敗れて他の個体に追い出されたりした場合、その場所に残された早贄は回収者を失い、そのまま風化してミイラと化します。
第三は、「他の生物による盗食や気象リスク」です。カラスやヒヨドリ、あるいはネズミなどに見つかって横取りされたり、強い風雨によって枝から地面に落下して見失ったりするケースも少なくありません。
第四は、「リスクヘッジ(余剰貯食)の副産物」です。真冬の過酷な寒波に備えるため、モズは生存に必要な最低限以上の獲物をストックします。厳しい冬を無事に乗り越えられたということは、備蓄が余ったことを意味し、残されたミイラは「生き残りに成功した証」に他ならないのです。