ギャッジアップとは?正しい角度と背抜き手順|褥瘡を防ぐ介護の鉄則
ギャッジアップとは?正しい角度と背抜き手順|褥瘡を防ぐ介護の鉄則についての疑問解決ガイドを徹底解説します。
介護ベッドのリモコンを操作する際、初心者が最も陥りやすい重大なミスが「背もたれから先に上げてしまうこと」です。
背上げを最初に行うと、身体は重力によって足元方向へ滑り落ちます。その結果、仙骨部の皮膚はマットレスに引っ張られたまま骨だけが滑り落ちるという「内部組織の断裂・毛細血管の圧挫」が発生します。これが褥瘡の主因となる剪断力です。
安全な操作を行うための標準看護手順は、以下のシークエンスが基本原則となります。
- 体位と屈曲位置の確認:ベッドの屈曲ポイント(折れ曲がる関節位置)と、利用者の大転子(太ももの付け根の骨)の位置が合致しているか確認します。ズレている場合は、背上げを始める前に身体を頭側へ戻すリポジショニングを行います。
- 【最重要】膝上げの先行:まず足側のリクライニング(膝上げ機能)を操作し、15〜20度程度持ち上げます。膝裏を軽く曲げて受け止める「ストッパー(滑り止め)」を先に構築することが、前方への滑落を防ぐ絶対条件です。
- 背上げの実施:膝が上がった状態を確認したうえで、背上げボタンを押し、目的の角度(30度、45度、60度など)までゆっくりと持ち上げます。この際、利用者に「苦しくないですか」「どこか突っ張っていませんか」と声をかけながら表情を観察します。
- 膝下げによる腹圧緩和:背上げが完了した後、上げたままの膝を少しだけ下げて微調整します(完全に水平にするのではなく、数度緩める程度)。これにより、大腿部や下腹部への圧迫感を解消し、下肢の血流うっ滞を防止します。
- 背抜きの実行:ベッド操作終了直後、皮膚と寝具の間に生じたテンションを解除するため、直ちに「背抜き」を行います。