根津甚八の早すぎる死因と事故の真相|妻が支えた壮絶な晩年と現在
根津甚八の早すぎる死因と事故の真相|妻が支えた壮絶な晩年と現在の全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。
根津甚八さんが息を引き取ったのは、2016年12月29日昼、都内の病院でのことでした。公式に発表された直接の死因は「肺炎」。享年69という、表現者として円熟期を迎え続けるはずだった年齢での早すぎる別れは、日本中に深い悲しみをもたらしました。
しかし、この肺炎は突発的な病変ではなく、足かけ15年にわたって彼の心身を蝕み続けた複数の重篤な疾患が重なり合った末の帰結でした。彼の病気と闘病生活の幕開けは、2001年頃に自覚した目の異変に遡ります。診断名は右眼下直筋麻痺(うがんかちょくきんまひ)。眼球を動かす筋肉が麻痺し、物が二重に見える複視や斜視を引き起こす難病でした。視線の鋭さ、まなざしの力でスクリーンの空気を支配してきた俳優にとって、視線が定まらないという現実は、役者生命を根底から揺るがす致命的な打撃となったのです。
手術を重ねたものの完治には至らず、思い通りに演技ができない焦燥感から、やがて重度のうつ病を併発。さらに追い打ちをかけるように腰椎椎間板ヘルニアを患い、複数回に及ぶ大手術の後遺症から下半身の自由を徐々に奪われ、晩年は車椅子での生活を余儀なくされました。自力歩行が困難になり、免疫力や嚥下機能が低下していく過酷なプロセスの中で発症した肺炎が、長きにわたる闘病に静かに幕を引くこととなったのです。