痰が絡む咳が長引く原因とは?熱なしでも油断禁物な病気と受診目安
痰が絡む咳が長引く原因とは?熱なしでも油断禁物な病気と受診目安について詳しく解説いたします。最新の情報をご覧ください。
ドラッグストアの店頭やネット通販には、多様な鎮咳去痰薬が並んでいます。しかし、医療の現場において「痰が絡む咳に中枢性鎮咳薬(咳止め)を単独で使用すること」は、原則として厳禁とされています。
痰を伴う咳を無理に止めてはならない生理学的理由
ネット上のQ&AサイトやSNSでは、「大事な会議があるから市販の強力な咳止めで咳を抑えたい」という声が多数見受けられます。しかし、咳止め薬の主成分として汎用されるジヒドロコデインリン酸塩やデキストロメトルファンは、脳の延髄にある咳中枢を麻痺させて咳反射を止める薬剤です。
痰が出ている状態で咳反射を強制的に遮断すると、排出されるべき細菌やウイルスの死骸、粘液が気管支や肺胞の奥深くに滞留し続けます。その結果、気道閉塞を招いたり、滞留した粘液の中で細菌が爆発的に増殖して気管支炎から重篤な肺炎へと重症化したりする危険性を孕んでいます。
痰が絡む咳における市販薬の正しい選び方
受診までの対症療法として薬局を利用する場合、痰が絡む咳の市販薬選び方として選ぶべきは「咳止め(鎮咳薬)」ではなく、粘液をサラサラにして排出しやすくする「去痰薬(きょたんやく)」です。
- L-カルボシステイン:気道粘膜の粘液構成を正常化し、粘稠な痰を滑らかにして線毛運動による排出を促します。
- アンブロキソール塩酸塩:肺表面活性物質の分泌を促進し、気道粘膜の滑りを良くすることで痰の切れを改善します。
- 生薬・漢方薬(麦門冬湯、清肺湯など):気道が乾燥して痰が喉にへばりつくタイプの咳(麦門冬湯)や、タバコや大気汚染で黄色い濃い痰が続く状態(清肺湯)に対して、体質に合わせて選択されます。