竹鶴12年はなぜ終売したのか?現在相場と復活の噂をプロが徹底検証
竹鶴12年はなぜ終売したのか?現在相場と復活の噂をプロが徹底検証について見逃せない 事実を厳選して解説いたします。
竹鶴12年の最大の特徴は、グレーンウイスキーを一切ブレンドせず、大麦麦芽のみで造られた複数のシングルモルトを掛け合わせたピュアモルト(ブレンデッドモルト)である点です。ニッカが誇る二大蒸留所——力強く重厚なスモーキーさを持つ「余市」と、華やかでスムースなシェリー樽香を特徴とする「宮城峡」——この対照的な個性が絶妙なバランスで結実しています。
ウイスキーのテイスティング現場において、竹鶴12年は今なお「完成された調和」と絶賛されます。グラスに注ぐと、まずメロンや青リンゴ、白桃を思わせるみずみずしいフルーツ香と、上品なハチミツの甘やかなトップノートが立ち上ります。口に含むとモルト由来の香ばしいビスケット、続いてビターチョコレートやほのかなピート香が心地よいアクセントとして広がり、余韻には心地よいウッディさが残ります。
さらに愛好家の間で深く追求されているのが、初期角瓶と後期丸瓶の酒質の違いです。2000年代初頭の角瓶は、余市蒸留所の伝統的な石炭直火蒸留による力強いピート原酒がしっかり主張しており、男性的で骨太なニュアンスを残していました。一方、2007年以降の丸瓶は、宮城峡のスチーム加熱蒸留によるエレガントな原酒比率が洗練され、より万人受けするシルキーなテクスチャーへとシフトしています。
2020年に同じく終売となった「竹鶴17年」や「竹鶴21年」と比較すると、長期熟成特有の重厚なエステリー香やシェリー樽の深みでは上位ボトルに譲るものの、12年は「モルト本来のフレッシュな力強さと熟成感のバランス」において唯一無二の軽快なキレを持っています。現行のノンエイジ(黒ラベル)も完成度の高いウイスキーですが、12年という時間だけが削ぎ落とせるアルコールの角と熟成由来の甘みにおいて、明確な一線を画しているのが偽らざる真実です。