岐阜県の最低賃金はいくら?最新改定額と愛知格差・手取りの落とし穴
岐阜県の最低賃金はいくら?最新改定額と愛知格差・手取りの落とし穴に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。
時給の引き上げは額面上の収入を増やす一方で、労働現場には新たな摩擦を生み出しています。岐阜市内の物流倉庫で働く40代の女性パート従業員は、現場の厳しい実情を次のように吐露します。
「時給が上がった案内を見たときは本当に嬉しかったです。でも、シフト表が出た瞬間に現実を突きつけられました。会社から『社会保険の扶養枠を超えてしまうため、月の勤務時間を10時間削ってほしい』と言われ、結果として月の手取り額は時給改定前より減ってしまったのです。食費や光熱費は上がり続けているのに、働ける時間を制限されるのは本末転倒です」
現場を混乱させている最大の要因が、いわゆる「年収の壁(106万円・130万円の壁)」による手取り逆転現象です。時給が上昇した結果、従前と同じシフト日数で勤務すると年収基準を突破し、健康保険料や厚生年金保険料の自己負担が発生します。年収約106万円の壁を超えた場合、年間で約16万円前後の社会保険料負担が生じるため、時給が50円上がっても勤務時間を大幅に増やさない限り、可処分所得が大きく落ち込む事態に陥ります。
さらに見過ごせないのが、正確な最低賃金の計算方法を理解していないことによるトラブルです。最低賃金の判定対象となる賃金には、すべての手当が含まれるわけではありません。
- 算入されない手当(除外対象):通勤手当(交通費)、家族手当(扶養手当)、精皆勤手当、時間外・休日割増賃金(残業代)、深夜割増賃金、臨時に支払われる賞与等
- 算入される賃金:毎月決まって支給される「基本給」および「職務手当」「役職手当」などの実質的な職能給
固定給(月給制)で働く労働者の場合、「(基本給+算入対象手当)÷ 1年間の月平均所定労働時間」で算出した時間単価が1,055円を下回っていれば、たとえ正社員であっても最低賃金割れとなります。「月給制だから関係ない」という思い込みが、深刻な権利侵害を見過ごす温床となっています。