元祖オムライス北極星心斎橋本店の真髄|伝統の味と混雑回避法を解剖
元祖オムライス北極星心斎橋本店の真髄|伝統の味と混雑回避法を解剖にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
日本人が愛してやまない国民食・オムライスのルーツを語る上で外せないのが、北極星の創業者である北橋茂男氏のエピソードです。創業当時の店名は「パンヤの食堂」。大阪・汐見橋の駅前でスタートした大衆食堂が、世界の洋食史に刻まれる発祥の地となりました。
転機が訪れたのは1925年のこと。いつも決まってオムレツと白ご飯を注文していた胃腸の弱い常連客・小塚さんを見かねた北橋氏が、「いつも同じものではかわいそうだ」と機転を利かせました。ケチャップで味付けしたライスを薄焼き卵でふんわりと包み、特製のトマトソースをかけて提供したのが始まりです。驚いた客が「これは何という料理だ?」と尋ねた際、北橋氏はとっさに「オムレツとライスを合わせたから『オムライス』です」と答えたと伝えられています。
単なる新メニューの開発ではなく、客への細やかな思いやりとおもてなしの精神から生まれたこの一皿は、瞬く間に評判を呼び、洋食界の金字塔として日本全国へ広まりました。同店が提示する「薄焼き卵で具材の旨味を閉じ込める技法」は、100年近くが経過した現在も変わらぬ調理哲学として受け継がれています。