没後10年、継承される狂気と情熱――小栗旬が今明かす「蜷川幸雄」という消えない烙印
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小栗と蜷川の到達点として今なお語り草となっているのが、2007年に上演された舞台『カリギュラ』だ。暴君として狂気に走る若きローマ皇帝を演じた小栗の姿は、観客の皮膚を冷たく刺すような恐怖と哀愁に満ちていた。
連日のハードな舞台稽古で声は潰れ、精神的にも極限まで追い詰められた。公演期間中、小栗は「毎夜、舞台の上で殺されるような感覚だった」と後に振り返っている。演技という枠組みを超え、生身の魂と魂がぶつかり合うような緊張感。蜷川は若き王に全存在を賭けてぶつかることを求め、小栗はその過酷な要求に狂気をもって応えたのだった。