カフェ ブルーの知られざる制作秘話と今明かされる名盤の真実
カフェ ブルーの知られざる制作秘話と今明かされる名盤の真実に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。
ザ・ジャムの突然の解散宣言は、イギリス中の若者を呆然とさせた。チャートの頂点を極め、国民的ヒーローの座に君臨していたポール・ウェラーにとって、ギターを叩きつける直線的なロックはもはや自らの表現衝動を満たす器ではなかったのだ。彼が求めたのは、ヨーロッパ的な気品とソウルフルな柔軟性、そして何よりも束縛のない自由だった。
鍵となったのは、元デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの鍵盤奏者、ミック・タルボットの存在である。タルボットの洗練されたハモンドオルガンとエレクトリックピアノは、ウェラーが描く新しい音像に決定的な色彩を与えた。二人が旗揚げしたスタイル・カウンシルは、ロックバンドという固定観念を最初から拒絶していた。流動的なメンバー構成、ヨーロッパ大陸のモードを取り入れたビジュアル、そして妥協なきブラックミュージックへの傾倒。それはまさに、80年代の閉塞感を打ち破るモダニストの逆襲だった。